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バーニングアートとは,バーニングペン,つまり,ペン先のついた焼鏝を使って,焼いたり,焦がしたりして線や面を表現していく手工芸である。木や皮革,紙,木の実など用いる素材は様々だが,焼き焦がした部分が,よりはっきりと見える明るい色の素材の方が効果がある。 本来は,バードカービングの愛好家たちが,狩猟のとき使ったデコイを木っ端から作るのに,この技法が用いられてきた。鳥の羽根や動物の毛並みなど繊細なタッチが表現できる。ヨーロッパやアメリカなど,特に19世紀までの伝統的な生活の中では,家庭で使う家具や生活用具を自分達で作り,楽しみながら図柄を彫刻したり,絵を描いたりしてきたが,バーニングアートも,家具や生活用具に自分らしさを加える創作方法として,取り入れられてきた。 色は,表面を焼いていくことで出来る焦げ色の濃淡のみだが,この限られた条件の中で,細線から淡いぼかし,面の塗りつぶしなど,工夫次第で,様々な味を出すことができる。単純だが,無限の可能性を感じる。鉛筆によるスケッチのように気軽に楽しめる一方,エングレービングやエッチングなどの版画技法にも共通する奥の深い緻密な表現も追求できる。 武田 誨さんが,バーニングアートと出会ったのはわずか一年前のことである。精力的に作られたこれら作品には,このようなバーニングアートの表現の魅力が満ちあふれている。題材も全て,自身で歩きまわった所や,出会った人々が取り上げられ,描かれている。一つずつ当時の懐かしい情景を思い出しながら丁寧に描かれた,どの作品にも,物語がある。若い頃からずっと船に乗り,世界じゅうを航海してきた武田さんの人柄の魅力を,作品が語ってくれる。 自らの生活を楽しむために育まれるフォークアート(民衆芸術)のすばらしさを,武田さんの作品からぜひ感じていただきたい。 |
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