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「霜山直良の銅版画とアンティーク・ファッション版画展」


2000年3月〜4月



ファッション・プレートとは

18世紀のヨーロッパでは、貴族階級が社会の中心にあり、服装においては、華やかなフランス宮廷の人々が流行の発信者となった。こうした貴族のファッションをヨーロッパ各地に知らせるためには、ファッション・ドールと呼ばれる実物と同じ服を着せられた人形が使われていた。

やがて、イギリスの産業革命、フランスの市民革命により18世紀末から19世紀に入ると市民階級が社会の担い手となり、人々は自由な服装ができるようになった。資本家階級のブルジョワを中心に、経済的に豊かになった市民層の裾野が広がり、流行に関心を持つより多くの人々へ、新しい情報を知らせるためのファッション雑誌がたくさん出版された。繊維産業の発達も、幅広い階層へ、服装を楽しむゆとりをもたらした。

ファッション・プレートとは、ファッション雑誌(ブック)に挿入された、写真ができる以前に流行を知らせるために描かれた服装図版のことで、当時の人々の憧れを描き出している。フランスを中心としてヨーロッパ各地で出版されたファッション雑誌の種類は、何百にも及んだ。雑誌の発行部数は数百から、多いものでは2万部も刷られたものもあり、いかに普及していったかがわかる。19世紀のものはエッチングやエングレービングに、一つ一つ手彩色したものが多く、20世紀に入るとリトグラフの図版も見られる。中には、原画家のサインが入れられ、大変芸術性が高いものもある。やがて、20世紀になると写真と印刷技術の発達により、手間のかかるこうしたプレートは消滅していった。


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